徽州曹素功 藝粟斎
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新老坑氷紋瓜様硯(ひょうもんかようけん)
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縦:16cm
最大横幅:8cm
厚さ:1.6cm
※上記のサイズにつきましては、天然の不定形をしておりますため、若干の異同をお含みおきください。
墨堂から硯背にかけて幾筋もの細かい金線が走り、硯面には数条の横ざまの氷紋が認められます。硯背硯頭部分に淡い油延光をたたえ、また硯面の華麗な氷紋に目が行きがちですが、硯背には無数の青花がちりばめられております。豊富な青花は、この硯がきわめて温潤細密な硯材であることを示しております。
また両辺に天然の石の皮目と採石時のノミ跡を残し、老坑水巌の眷属たる風格をたたえています。小なりとはいえ老坑系の硯材に特徴的な石品を贅沢にそなえております。
硯頭につるを伸ばした“瓜“をあしらい、縦長の墨堂全体も”瓜”をかたどっております。
「瓜」は西域から伝来し、古くから栽培されてきた野菜ですが、瓜を栽培する畑をとくに「瓜田」と言います。古楽府「君子行」には「瓜田不纳履,李下不整冠」すなわち「瓜田(かでん)に履(くつ)を納めず、李下に冠を整えず」という言葉があります。瓜畑でかがみ込んで靴を直すと、まるで瓜泥棒のようにみられかねず、李(すもも)の木の下で、かぶっている冠を直すとスモモ泥棒と間違えられかねない、ということです。すなわち君子というものはいらざる嫌疑を受けないように周りの状況を見て、身を処すもの、という教えがあります。
また瓜を硯のモチーフにするのは、蝙蝠や霊芝とおなじ「吉祥図」としての意味があります。瓜は蔓(つる)が広範に繁茂し、同じ蔓に多くの果実が連なります。つまりは同じ血統の一族が連なって、子孫が繁栄する様に見立てているのです。瓜硯(かけん)または瓜様硯(かようけん)と呼ばれるこの作硯様式は、端渓硯の中にしばしば現れる様式です。
縦長の硯は机上にあって場所をとらず、便利なものです。こぶりながらバランスのいい墨池と墨堂を配し、小楷、寫經、絵手紙等に重宝する実用的な硯に仕上がっております。
和墨から硬い唐墨まで容易に溌墨しますが、特に良い墨を使って長年使用することにより、年々その風格を増してゆくことでしょう。
販売価格
66,000円(内税)
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