徽州曹素功 藝粟斎
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新老坑雲龍硯
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縦:11.5cm
最大横幅:9cm
厚さ:2.0cm
硯面硯背には、新老坑の特徴の一つである水線、金線が横ざまに走り、硯頭から左斜め方向には翡翠条が認められます。水に浸せば墨堂・硯背ともに微細な青花が浮かび上がるでしょう。
青花をふんだんに呈する硯石の特徴でもありますが、特に温潤な性質を持ち、微細で堅牢な鋒鋩を有します。
意匠には龍が瑞雲を巻き従えて現われる”雲龍”は、中国では古来から降雨をつかさどる龍王として描かれてきています。
硯頭に彫られた雲井から現れる龍が、地上にみたてた墨堂に向かって、まさに恵みの雨を降らさんという気配を描いております。清水を湛(たた)える硯に似つかわしい意匠といえるでしょう。また地上の皇帝にも譬(たと)えられる高貴な龍は、天意の象徴でもあり、その出現は君子の人徳を寿(ことほ)ぐ瑞兆とされてきました。
瑞雲の隙間からわずかに龍の頭と尾をのぞかせる姿は、雄々しく深遠で侵し難い威厳を表しています。
雲の刻線は、瑞雲の形象をあらわしており、古端渓の作行きに見られるような、やわらかく優美な線で神龍を取り巻いております。極めて薄く浅い刻線によって上品に彫り上げられ、これは端渓独特の高度な作硯技術の現われと言えるでしょう。
浅い刻線は、使い込んで墨と馴染むことで深みを増し、明瞭かつ古雅な味わいを帯びて行きます。
またこぶりながら2cmに達する厚みが生み出す安定感をもち、端溪硯を所有する満足感を与えてくれる佳材であると言えるでしょう。
適度な墨池を持ち、広い墨堂とあわせて使い勝手のいい実用的な硯でもあります。老坑水巌にせまる緻密な鋒鋩は、和墨から唐墨まで充分に溌墨させてくれるでしょう。
販売価格
68,000円(内税)
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