徽州曹素功　藝粟斎

縦：10ｃｍ
最大横幅：5.5ｃｍ
厚さ：0.6ｃｍ

※上記のサイズにつきましては、天然の不定形をしておりますため、若干の異同をお含みおきください。

硯面・硯背ともに雷光のごとき鋭い氷紋、金線が縦ざまに走りぬける佳品です。また硯面下方には魚脳に数条の金線が浮かんでいます。材質は温潤細滋で、老坑水巌の眷属にふさわしく、堅牢かつ緻密な鋒鋩が硯面を覆っております。


岩石に根を張った竹葉を硯頭にきざみ、ごくあっさりと軽快な印象に仕上げております。
竹は四君子（竹、菊、梅、蘭）のひとつであり、”節操の高さ”という君子のそなえるべき徳目のひとつを表します。またこの竹は岩の裂け目に堅固な根を張って立っており、いわゆる”千万万撃”の風雪に耐える君子のつよい意思の力を表しております。
また竹には”竹報平安”という言葉があり、生活の平安、無病息災を祈念する古来からの吉祥図案でもあります。

袖珍さいずの小さな硯ですが、氷紋硯を一面は所有したい方にお勧めできる硯です。薄く軽量なためもち運びも便利ですが、旅先などでも活躍する寫經や小楷など、座右にあって日々佳墨を磨るに適した優れた硯です。
新老坑は墨を選ばず、和墨から硬い唐墨や古墨まで容易に溌墨します。良い墨を使って長年使用することにより、ますます風合いを増してゆくことでしょう。

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