徽州曹素功　藝粟斎

柄：21.4cm
穂先：3.1cm
軸の太さ：1cm
古来中国では、”狼毫”すなわちイタチの毛は、北方に産する品が良いとされてきました。北方中国の厳しい寒さに耐えうる毛は、微細で強靭なためです。
この「浄純北狼毫」は、精良なイタチの毛を集めて作られた、純狼毫筆です。イタチの毛はその強い弾性と、まとまりのよさに特徴がありますが、この筆は羊毫筆に近い柔軟性を兼ね備えています。
材料はすべて精選した北方イタチの尾の、中ほどの毛を用いて作られています。近年多く見られる、ナイロンなどによる弾性の強化を一切しておりません。
揚州を中心に伝統的に兼毫水筆の生産量が多かった江蘇省北部では、狼毫筆の精良さに定評があります。この「北狼毫」は、兼毫の芯にわずかづつ使用される狼毫を贅沢に使用し、使いやすい中鋒の筆にまとめあげています。
「硬毫筆」の代表格とされる「狼毫筆」としては意外なほどの柔軟性を持っています。羊毫筆における「玉蘭蕊」と同じく、万能型の中鋒筆です。 その柔軟性と多様な変化を生かし、仮名の條幅や行草、特に明代諸名家の墨蹟の臨写に威力を発揮するでしょう。運筆を安定させることで一転して沈着な筆線に変化しますので、行楷書への使用にも堪能な性格を持っています。あるいは水墨画においては、蘭葉や竹葉など、端整な筆線と鋭い出鋒を必要とされる画法に適した性能を持っています。

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